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2011年3月23日 (水)

雨の中のお彼岸&地震後初めて横浜に帰省しての感想

 私の学部学生時代の出身母校では、卒業後25年目の卒業生は卒業式に招かれる慣習があります。取得し漏らしていた、年度内に取得しなければならない休暇の消化と兼ねて本日(2011年3月23日(水)実施予定だった卒業式に参加する予定でいたところ、東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力の計画節電への協力等の趣旨から卒業式が中止になってしまいましたので、現在、名古屋の自宅におります。

 先週末横浜の実家に帰省して、お彼岸の両親の墓参りをしたり、菩提寺の天然寺に立ち寄ったりして参りました。夢の中に亡母が出て来たので、「様子を見に来てくれ」と亡母から告げられたような気がしたのです。横浜の実家は、室内の戸板が1枚はずれていただけで済み、例えば本棚が倒れる等の被害はありませんでしたし、お墓も無事でした。お墓は、お彼岸だというのに、異様に墓参りしている人は少なかったのが、不思議な感じがいたしました。

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 墓参り後、天然寺の住職の奥様に伺ったところでは、東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所事故を受けて、放射性降下物が雨と共に降下するリスクを恐れて、人々は墓参りをしていないのだとの由でした。

 本稿執筆時・2011年3月23日時点では福島第一原子力発電所事故の 影響は日々変わり得る状況下にありますので、今後とも同様である保証は一切無く、以下の感想はあくまでも墓参時2011年3月21日時点の状況に基づいて の話である旨をお含み置きお読み下さい。3月21日時点の状況では、「警戒する必要はあるが、過剰反応なのではないか」というのが率直な感想でした。亡父 は気象庁でかつて「大気放射能観測指針」を書いていた人物であり、生前、亡父からいろいろな話を聞く機会がありました。亡父によればこのような問題に関する一般人の反応は概ね過剰反応であり、例えば父のその現役時代(数十年前)、チャイナがよく核実験をロプノールで行う度に「雨に濡れたけど、はげませんか?」という心配の電話が気象庁にかかって来ましたが、亡父によれば、そんなことは地理の常識があれば専門知識が無くても過剰反応だと分かるのだそうです。そのこころは、「チャイナが核実験した場合、ロプノールと日本の間に北京があり、北京の毛沢東(当時)が、自分が危険になるようなことをする訳が無い。ましてや、ロプノールから見れば北京よりもさらに先にある日本が危ない訳が無い」との由です。もちろん、チャイナが核実験する度に放射性降下物が増えることは増える訳でしょうから、そのために亡父は観測していた訳ですが、問題は「程度問題だ」ということなのです。「確率分布上、分布の端にあるために『ゼロではないけれど、気にする必要性までには至らないモノゴト』」に対して、「ALL or Nothing」的に「ゼロではないならば、全て危険」的な対応をするからそうなるのだ、ということになります。

 世の中のモノゴトは確率で生じている訳ですから、「All or Nothing(ゼロでなければ、全てダメ)」というのは極論だと思います。第一、自然放射線自体が世界平均で年間2.4ミリシーベルトはある訳ですし、「ゼロでなければ全てダメ」では、原発事故が無くてもこの世に居場所など無くなってしまいます。重要な観点は、「どの程度の量ならば、どの程度の状況であるか」という点にあると思います

 今回の福島第一原子力発電所事故においても、放射性降下物横浜での濃度は「ゼロではありませんが、直ちに人体に影響がある」程のものではなく、少なくとも3月21日時点で、かつ横浜の状況では、降雨時には傘をさした方が良いとは申せ、皆が墓参りを止める程のモノではない」と私は考えます。ですから、私は雨の中に墓参りしても平気でいた訳です。実際、私の墓参の2日後時点の話ですが、カナロコ(神奈川新聞社HP)23日の横浜市内の放射線量によれば(リンク先URLは2011年3月23日現在)、横浜市内の3月23日12時の放射線量は68ナノグレイ毎時(2010年度平均値は22ナノグレイ毎時)であり、「100ナノグレイ/毎時の地点に10時間したとすると0.0008ミリシーベルト」との由ですから、これは、年間では0.199ミリシーベルト(=(68/100)×0.0008×365日)の放射線量になります。この数値は、2010年度対比で約3倍(=68/22)の放射線量になってさえ横浜では、世界平均での自然放射線量(年間2.4ミリシーベルト)よりもまだ少ない旨を意味する数字なのではないでしょうか

 将来事態が悪化するか改善するかは不明ですが、少なくとも3月21~23日頃時点では、「キチンと傘さえさせば墓参りを止めるのが過剰反応ある」旨は、専門知識なんか無くても、上述のような四則演算レベルの簡単な検証でもよく分かるであろう、と私は考えます(ただし、傘をさすなどの対応は必要でしょうが)。

 テレビで放送される公的な発表も、刻々と変わる状況下で都度都度、どこまでは危なくて、どこからが大丈夫かをキチンと切り分けて発表していま す。情報が無いという苦情もありますが、かつてシステム・エンジニアとしてトラブル対応の経験をしてきた自分の業務体験に踏まえた印象としては、「分かっ たことを、情報隠匿のためにわざと隠している隠蔽」は現時点では余り感じられません。情報が無いのは「政府や関係団体自体も調査中」だからであり、分かっ た範囲までは適切に公表しているように見受けました。我々としては、過剰反応もせず、逆に軽視もせず、粛々と対応することが必要なのではないか、と思います

 なお、放射性物質によって出荷停止となったホウレンソウ等以外の福島、茨城、栃木、群馬四県の品目が風評被害を受けている状況は、過剰反応だと思います。店頭に並んでいるものは、サンプル・チェックによる品質検査を受けた後のものである旨と、上述のとおり「All or Nothing」ではいけない旨とを踏まえた上で、過剰反応しないことが重要だと思いました。過剰反応もせず、逆に軽視もせず、粛々と対応するためには、出荷制限したものは買わず、出荷制限されていないものは食べる、という姿勢が重要だと思いました。ただし、YOMIURI Onlineで「福島県産の葉物野菜など摂取制限、首相が指示(リンク先URLは2011年3月23日現在)」と報じられているとおり、刻一刻と事態が変わる中で、その切り分け基準は日々変わるものであろう旨、お含み置きいただく必要はあろうかと思います。都度都度の政府の指示にしたがう、それ以上の過剰反応はしない、この辺りが落としどころかと思います。

 

横浜では、例えばコンビニのショーケースが暗かったり、節電のためにデパートやスーパーの閉店時間が早くなったりしていたり、電車のダイヤが平日でも休日運転だったり、JR横浜線横浜駅乗り入れがなく全便が東神奈川駅止まりだったりする等、戦時中の灯火管制とまでは申しませんが、電力に関しては「欲しがりません、勝つまでは」状況である旨が一目瞭然でした。大変だろうとは思いますが、大規模停電が起きてはいけませんので、耐えて頑張って欲しいと思いました。また、帰省時点でコンビニの棚に空き棚が目立って、まるで旧ソ連のスーパーのような状況だったり、パンが売り切れになった旨の話を聞いたりしたなど、物流上問題が起きている旨がアリアリと分かりました。やはり、横浜名古屋よりも状況は悪いと思いました。恐らくは生まれ故郷・東京も同じだろうと思います。

 

横浜だけでなく福島第一原子力発電所事故周辺地域でも放射性物質放射線の心配をする必要がなくなり、被災地域が復興する日が早く来ることを切実に願います。横浜名古屋と程度や状況は異なりますが、節電したり過剰反応しなかったりすることも含めて、我々も「自分でもできること」をコツコツとしなければならないと思いました。

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