« 東北地方太平洋沖地震義援金受付窓口情報(調べてみました) | トップページ | 雨の中のお彼岸&地震後初めて横浜に帰省しての感想 »

2011年3月22日 (火)

【長文注意】頭では自粛はいけないと分かっていても、「申し訳なさ」を感じる方へ~自分の立場でできることの一環としての提案

“自粛ムード”に終止符を、それがマーケッターがやるべきこと
(リンク先URLはBusiness Media 誠のサブ・コンテンツで、2011年3月現在のもの。)

 まず、初めにただし書き事項について断っておきます。正義や道徳はヒトの頭数だけこの世に存在し、反証可能性の無い実証科学の守備範囲の領域の命題では実証科学の守備範囲の領域の命題とは異なり、「反証可能性が無い」という方法論上の点において「その全てが正しい」ので、答は一つではありません(注)(ただし、公共の福祉に反しない限り)。したがって、東北地方太平洋沖地震の被災者や被災地域を応援したい場合でも、「どのような姿勢で臨むか」についてはヒトそれぞれの姿勢があって構わないので、お互いに「応援したい」気持ちさえ担保されている限り、以下に述べることを私は強制する権利はないし、逆に反対意見を持つ方もその意見を私に強制する権利は無い、という点をお含み置きの上でお読み下さい。なお、「強制しない」ということは言い換えれば、「提案はするけれど、私の案を採用するか否かはあなたの勝手だ」という姿勢で述べる話でもあります。あくまでも利用可能な処方箋の1つを提示するだけの趣旨であり、その処方箋を利用するか否かは読み手の側の自由であります。
(注)一方、実証科学の守備範囲の領域の命題では、「(対立仮説とどちらを選ぶか決着が着いていない例外事例は別にして)答、つまり採用する仮説モデルは1つですが、その仮説モデルは「正しい」訳ではなく、単に「まだ反証されいない」だけのものです。それに対して実証科学の守備範囲の世界では、「正しい命題」がある反面、反証可能性が無いために「正しい命題」は1つではなく、極論すればヒトの頭数だけ無数大量に存在します。

 但し書きを終えて、本文に入ります。

 何を提案したいかというと、「『地域の復興のためには自粛では逆効果だ』とアタマでは分かっていても、申し訳なく思ったり心が痛んだりする状況下で『自粛しない』行動をためらってしまう方」に対して「気がひける思いをせずに『自粛しない』ようにするための心構え」として(←このような方々が提案対象です)、結論から先に申せば例えば観光であれば、『泣きながら観光』というものがあってもいいじゃないかと提案したい、というものです。

 詳しく解説します。構成としては、
(1) 最初に「自粛」すると状況がさらに悪化する旨を述べた上で、
(2) 次に、「でも悲しくて、気持ちの上では自粛せざるを得ないよね」という心情が理解可能な旨を述べて、
(3) 最後に「では、どうすればよいのか」、
というつながりで述べることとします。

(1) 「自粛」すると状況がさらに悪化する旨について
 2011年3月11日発生の東北地方太平洋沖地震発生以来今日で約10日間、日本全体に自粛ムードが漂っているように思います(キチンと統計を取って調べた訳ではありませんが、報道事実から察する体感としては恐らく事実)。東北電力・東京電力管内の場合には計画停電に対する節電への協力という事情もありますが、中部電力管内以西では純粋に心情的なものと推測します。

 ですが、被災地域や被災者が立ち直れるように支えるための経済的な「体力」を踏まえれば、
○ 国民経済全体で申せば非被災地域の経済力で被災地域を支えなければならず、
○ 1人1人の個人の所属企業や自営業者個人事業で申せば、非被災地域の事業(全国企業ならば支店等)でキチンと収益を上げることにより、被災地域の取引先や自社被災地域部門を支えなければなりません。
消費市場において自粛ムードが広がって消費が停滞すると、供給サイド(=企業や自営業者個人事業)の売上が減り、すると国レベルでも個別企業・業界(含む自営業者)レベルでも、非被災地域を支えていくための財務的な体力自体が弱体化します。

 実は、(1)内のここまでは「単に自然法則としての経済現象のメカニズムについて記述しただけ」の話であるという意味において、私の意見ではありません。「意見」は、これ以降になります。

 したがって、役割分担として非被災地で自分の生活を送る方は、「自粛せずに日々の生活をこれまでどおりにキチンと過ごしていく」ということもまた、「自分の立場でできること」の1つで あると、私は考えます。職業人としては各自の仕事をマジメにこなしていき、消費者としては自粛せずに日常と同様に消費していくことが、被災地のためにもなります。供給サイドとしても需要サイドとしてもしっかりと1日本国民として日本の経済を支えていくために1億2千万(人口)分の1の貢献を果たしていく、このこともまた、「いまの立場でできる被災地域のための行為」の中の1つになります。

(2) 「でも悲しくて、気持ちの上では自粛せざるを得ないよね」という心情について
 ところが、供給サイドの場合には「どんなに悲しい時でも職業倫理上は全力を尽くさなければならない」ため「やる気は落ちない」のですが、需要サイド(=消費者)の場合にはコトは簡単ではありません。「自粛は経済的には逆効果だ」というのは経済上の自然法則ですが、「悲しくて『そんな気持ちにはなれない』心境だったり、被災者や犠牲者に申し訳なくて、自粛してしまう」心情が出て来るのが心理上の自然法則です。このような心情は、とても「美しい思い」でもあります。でも、心情的に美しいとは申せ、経済的には逆効果でもあります。

(3) では、どうすればよいのか
 そこで、「申し訳ない」と思ってしまう方のために提案です。例えば観光であれば、『泣きながら観光』というものがあってもいいじゃないかと私は思うのです。これは、「気の持ちよう」という観点での提案です(注)。
(注)本稿において、これは、観光だけでなく、グルメ(食事)や普通のショッピングも同様であり、「観光」は代表例示として述べているだけですので、この点、誤解無くお読み下さい。

 「自分だけが楽しんじゃっていいのだろうか?」と思うから罪悪感に苛まれるのではないでしょうか。例えば「犠牲者にも、これを見せてあげたかったなぁ」とか、「犠牲者にも、これを食べさせてあげたかったなぁ」とか、「代わりに自分の目を通して(天国から)見て下さい」とか思いながら回れば、鎮魂だとか「行く機会がなくなってしまった犠牲者と気持ちの上で一体化した状態」だとかの心情で行けるので、「気の持ちよう」の問題として罪悪感を感じずに済むのではないでしょうか。

 悲しみながら周遊したって観光が観光である旨は客観的には変わりません。その結果、直接的には(交通産業や飲食業も含めての)観光業者にカネが落ち、間接的には産業連関波及効果で地域の工業や農業にもカネが回ります。観光した地域の経済振興が実現できれば、国民経済全体では被災地を支えることが可能な原資を捻出する余力になります。
「泣きながら観光」というものがあってもいいじゃないか
と私は提案したいのです。

 なお、ただし、これは、「被災者や犠牲者に申し訳ない」と思うから自粛してしまう場合に対する処方箋にはなりますが、「悲しくてそんな気分にはなれない」場合に対する処方箋にはなりませんので、「万能の特効薬」ではありません。誤解を避けるべく念のため。

(4) 補足
 かつては私も「自粛」気分に襲われてしまう人でした。私が「自粛は逆効果だ」ということに私が気づいたのは、2004年の新潟中越地震の際に、一時期は自粛ムードが漂っていましたが、それでは県内の観光産業(産業連関波及効果では他産業も)がさらに苦しくなってしまうため、「がんばれ新潟」キャンペーンで「自粛しないで来て欲しい」と地域の人達が訴えたことを知った時でした。この時、私も初めて、「自粛は逆効果だ」と気づいたのです。新潟も私にとっては子供時代に住んでいたことがある「第2の故郷」の中の1つですが、その時は私は鹿児島県に赴任していて新潟が遠かったので行きそびれたので新潟への観光旅行は中長期的な後日の課題としているのですが、この2004年の新潟中越地震の「がんばれ新潟」キャンペーンで考え方が変わった訳です。

 ところで、今回は、現時点(2011年3月現在)で短期的には2004年の新潟中越地震の「がんばれ新潟」キャンペーンとは異なる要因があります。それは、「がんばれ新潟」キャンペーンの時には、「自粛せずに行く」行き先は新潟自体でした。ですが、今回は余りにも被害が甚大過ぎるため、中長期的にはともかく、短期的には直接的に被災地を観光で支えることは不可能です。(注)。したがって、「がんばれ新潟」キャンペーンのモデルをさらに一般化すれば、他の地域での消費のために影響の因果関係は間接的であったとしても、「当面は他の地域の活性化を『客として支援』し、被災地域に対しては、非被災地域の財務体力で支えていく」という手もあるのではと思った次第です。
(注)「がんばれ新潟」キャンペーンでも、地震直後は「そんな状況ではない」状態だったことでしょうから、「来て下さい」は短期的な話ではありません。

 上の段落中の局所の繰り返しにもなりますが、、2011年3月11日発生の東北地方太平洋沖地震被害地域は地震直後の今はとてもそんな状況ではなく、厳寒気候条件下で物流停滞状況下の避難生活では、まだ生死の境目に近い状況下の方もある模様です。したがって、この処方箋は直接的な被災地域に対しては数ヶ月後とか数年後とかという中長期的タイム・スパンの話である旨は、くれぐれも誤解せぬよう留意してお読みいただきたくお願いします。被災地域対しても中長期的に被災地域へも復興し次第、旅行したり消費したりすることが客としての支援になるであろうとしても、現時点では被災地はとてもそのような状況ではありません

 余談ながら、例えば東北・北関東でも「特に酷い被害があった地域」以外の場所~例えば秋田・山形等~では、現時点でも直接的に行ける方は行くと「客としての支援」になろうかと思います。営業が継続されているに「東北・関東だから」という十把一絡げの固定観念的なイメージで客が減ってしまえば、当該地域の観光業者にとっては経営危機につながって倒産しかねない残酷な風評被害でもあります。ただし、「例えば被災地以外の旅館などが避難所に活用されている場合の被災者との利用需要が競合したり、復旧のために必要な物資需要や交通需要と競合したりして、復旧の足を引っ張ってしまう逆効果が無い限り」というただし書き条件が付きます旨、お含み置き下さい。買い占めは止めましょうというのも、この見地からも重要だと思います。

 なお、私自身は、職業人としては、所属企業レベルでは営業できない東北エリアの部門の代わりに現所属エリアでキチンと成果を叩き出してお客様をはじめ所属企業の全ステークホルダーのためになるようにするためにも、国民経済全体レベルでは居住地域の経済活性化維持によって被災地域を支えていくためにも、自分の目の前の職務に全力を尽くす所存です。そして、消費者としては、自粛することなく需要サイドから、短期的には間接的に、中長期的にはいつか機会を見つけて直接的に、国民の1人として支えたいと思います。このようなことも、今、自分の立場でできること、役割の1つなのだと思います。

 あと、もちろん、義援金募金や、買い占めしないことや、東北電力・東京電力管内の方は節電への協力も、被災地にいない方でも自分の立場でできることである旨は、言うまでもありません。

 

 

◎ 他の方の、自粛に関連するブログ記事

東北地方太平洋沖地震を受けて、すべてが自粛モード。(順次追記あり): .net.amigo

東北地方太平洋沖地震、自粛が必ずしも正しいとは限らない。|PAPIPO Blog

僅かながら東北地方太平洋沖地震の被災地・被災者の方に貢献できること|株式会社ECS 社長ブログ

東北地方太平洋沖地震 | 江頭つとむ OFFICIAL BLOG

take a step !!:東北地方太平洋沖地震(自分でも冷静じゃないと感じる最近のこころの動き 2011.3.16) - livedoor Blog(ブログ)

日本経済をボロボロにする人々 : 東北地方太平洋沖地震によるイベント中止に物申す堀江貴文

不治の病|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba
堀江貴文氏の過去の発言の中には決して賛成できない点もあるため、私は決して同氏の支持者ではない旨、誤解無きようお含み置き下さい。ですが、個別意見の是々非々は「誰が言ったか」ではなく個別意見自体の内容に即して判断すべきであり、この意見には賛成可能です。

|

« 東北地方太平洋沖地震義援金受付窓口情報(調べてみました) | トップページ | 雨の中のお彼岸&地震後初めて横浜に帰省しての感想 »

コメント

こんばんは
九州新幹線の開業は、地震発生の翌日でした。記念式典などは全てキャンセルされ、すこし寂しい船出でしたが、それは止むを得ないのではないかと。むしろ、予定通り運転を開始したJR九州を評価します。
いろいろなイベントが自粛ムードですが、当地北九州では、3月27日に「九州B1グルメ選手権」が予定通り開催されました。青森の「せんべい汁」は、工場が流されたということでビデオレターでの参加になったみたいですが、おっしゃるように「被災地を慮りながらイベントを開催する」ということは、励みになりますし、なにより経済を回すことで活性化もなされます。

ちなみに、私のブログは自粛していません。それどころか震災発生から2週間ほど、震災について考えたことと、通常記事の2本立てで更新していました。これも「残された」「何事もない」私たちが元気でないと、「亡くなった」「被災された」方々に申し訳ないから、という思いからです。

投稿: 787.TSUBAME | 2011年4月 3日 (日) 22時46分

787.TSUBAMEさん、コメントありがとうございます。

九州新幹線の開業
http://homepage2.nifty.com/kamitaku/KAGKANB4.HTM
は、震災翌日でタイミングが最悪のタイミングになってしまいましたよね。私は祖先が東北で、鹿児島を第2の故郷としていますので、祖先の地・東北の悲劇としても、鹿児島の活性化に水がさされたという意味でも、二重の意味でこのタイミングは悲しかったです。

 「九州B1グルメ選手権」が予定通り開催されたというのは、良いことだと思います。八戸のせんべい汁がビデオレターだけでも参加したというのは、被災地を見捨てないということでもあり、また、被災地企業が諦めていないという意味であり、良いことだと思います。丁度八戸は、江戸時代~大正時代に祖先がいた所であり、今でも親戚が多く住む所でありますので、教えていただいたエピソードには、私に縁が深い東北と九州がこのような形で連帯している点に対して、とても感慨が深いです。

 貴ご意見に賛成です。「自粛しないことを、被災地を思いながら粛々と遂行していく」、「被災地を思うからこそ、敢えて自粛しない」、「自粛せずに日々を過ごしながらも、思い込みかも知れないけれど被害者達と心を重ね合わせていく」、これが非被災地にいる者でもできることだと私は思っております。

投稿: カミタクこと神山卓也 | 2011年4月 4日 (月) 22時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/169624/51192701

この記事へのトラックバック一覧です: 【長文注意】頭では自粛はいけないと分かっていても、「申し訳なさ」を感じる方へ~自分の立場でできることの一環としての提案:

» 東北地方太平洋沖地震を受けて、すべてが自粛モード。(順次追記あり) [.net.amigo]
関東圏に2世帯ほど親類が居て、かたや道路が液状化し、かたや震度5の地震に遭遇した。東京の1軒とは固定電話が繋がったのだが、もう1軒、千葉県某 [続きを読む]

受信: 2011年3月23日 (水) 08時50分

« 東北地方太平洋沖地震義援金受付窓口情報(調べてみました) | トップページ | 雨の中のお彼岸&地震後初めて横浜に帰省しての感想 »